ワーム(サナギ態)
(『仮面ライダーカブト』より)
今回の課題はズバリ『盛り削り作業を最小限に』。
どういう事かといいますと、以前は一つのパーツを仕上げるまでにパテ(又はファンド)を盛って削る作業を、微調整を含めて2〜4回はしていたのですが、それではいかん!削り作業は1発でビシィィッッ!!!と決めなきゃイカンぞ!と思ったわけです。 つまり失敗を許さず、緊張してやんなさいよ!って事ですね。
完成のイメージよりも大き目にパテ(又はファンド)を盛って、少しずつ薄皮を剥ぐように削る作業。 これは難しい作業です。基本的に失敗(削りすぎ)は許されません! という訳で蛹ワームが出来るまでを追ってみましょう。
@メカ沢ではありません(06.05.02)
作り始めはいつもこんな感じです。
盛り削りの回数を減らす為、イメージよりも大き目に盛ってます。
足の芯であるプラ棒は、両足とも同じ長さに計って、切って、曲げてます。 この時点で何のキャラか分かった人は偉いです。
A芯に肉付け(06.05.04)
両腕・左足の芯(プラ棒)に大まかに肉付け。 肉付けしてる素材はファンドです。 蛹ワームはボリュームがあるので、コストの高いエポパテは極力使わず、低コストであるファンドを使おう!という意図があります。 顔とダミー腕はイメージを膨らませる為に、適当にこねて着けただけのモノ。
B削り作業開始(06.05.08)
右足にファンドを被せつつ、ここで削り作業一発目。 工具は主にカッターナイフ(30度角)、デザインナイフ、三角刀の3つ。 下腹部・左足首・左肩・左腿・顔を削ってみました。 顔と足首はエポパテで作った方が良かったですね。 ダミー腕は細いパーツになるのでエポパテ(写真:ベージュ色)で作る事に。
Cダミー腕を削る(06.05.10)
顔の出来の良し悪しでその完成度が大きく変わります。 なので私は顔を初めに作る事が多いのです。 そこで、顔の一部でもあるダミー腕を削る事に。 エポパテとファンドの削り易さを比べると、細かいパーツはエポパテの方が断然いいです。 ファンドは脆い分、ザックリ削ろうとすると大事なトコまで削り過ぎちゃう傾向があります。(画像の右瞼は削り過ぎてボロリしちゃいました)
それから、こねる作業が足りないと空洞が出来る事もしばしば…
D本格的に削る(06.05.15)
左モモを削る。この題材の難所は両手両足の段々模様にあります。 シャーペンで下書きした後、三角刀でラインを彫り、デザインナイフで切込みを入れ、最後に紙ヤスリで撫でる。これの繰り返し。 初めは苦戦しましたが馴れてくるにしたがい楽しくなってきました。(この時点ではまだまだ苦戦中)
E削る削る削る(06.05.19)
左モモの削り込みが思った以上に上手くいったので、その勢いで右側の削り込みにも着手。勢いつき過ぎて足首まで削っちゃいました(笑) 以前から苦手だった手の平を削る。ここは折れ易いのでエポパテで製作。 他にも足の一部にあるアイボリーの部分はエポパテです。
F更に削る(06.05.24)
右腕はまだファンドを盛っただけ。手首(爪2つは除く)だけ削りました。ここもエポパテで製作。 サナギの腕は長いイメージがあるのですが、左腕はあまりに長かったので短く切断。前腕が細かったのでエポパテで盛り直す事に。ファンドの上にエポパテというのは如何なものか??結果は次回に。 左足は右足を参考に削り込みました。 ここまでくると『段々削り』も馴れてきて、楽しくサクサク作業出来てます。
G削りつつ修正へ(06.05.27)
右腕・左前腕部の段々削り。淡々とした作業。
ファンドとエポパテの馴染み具合ですが、そんな違和感なく削れました。ボロリするかな〜と思ったのですが、心配なし。 2つのデカイ爪の削り出し。これはデザインナイフと三角刀を駆使しての一発勝負! 幸運な事に折れたりせず2本とも成功。 左足首が沈んでいたので切断し、再び盛り削りする事に。 以前なら「ここは別に直す事もないよな〜」とか言っちゃうんですが、レベルアップを計ってみました。今では直して本当に良かったと思ってます。
H仕上げ段階へ(06.05.29)
アバラ骨(6つの爪)・鎖骨・ダミー腕のトゲトゲ・左足首の修正が終わって、いよいよシルエットが見えてきました。
Iフードの製作(06.06.01)
ここまでで殆ど手付かずだった、フードの製作に。 シャーペンで下書きをした後、三角刀とデザインナイフで削る。 プリップリのカーブを表現。削った本人が言うのも何ですが、ホントの芋虫みたいで気持ち悪いです(笑)
Jヒレを付ける(06.06.04)
製作開始からちょうど一ヶ月。 フードに付いてるヒレ部分は、事前に大まかにこねていたものを削り、接地面をエポパテで埋める。サーフェイサーを吹いて見落してる箇所がないか確認。
K最終チェック(06.06.06)
サーフェイサーを吹いてチェックを繰り返す。
体中にある【タコの口】みたいな部分は、ピンバイス(0.4ミリ)で穴を開けた上にアロンアルファ(ゲル状)をチョコンと乗せる。乾いたのを確認して、もう一度同じピンバイスで穴を開け、キリ状の金属棒で穴を広げたら完成です。
ダミー腕の親指(触角部分?)を付け、やっと原型が出来ました!
L複製完了(06.06.11)
シリコンで型を取ってキャストを流し込む。
気泡がなかなか抜けず、特につま先と背中のフード部分はもう何回やっても駄目でした。
仕方なく気泡が出来た部分はエポパテで埋める事に・・・
M塗装しました(06.06.15)
完成です。ちょっとフードがずれてますね(笑)
塗装ほとんどエアブラシで仕上げました。
@全体をネイビーブルー+緑で吹きつけた後、各関節とお腹以外を白で軽く塗装。
A白の上を重点的にデイトナグリーン
Bその上から全体的にクリアイエロー
C手首・アバラの爪・つま先にブラウン系(オレンジ+ネイビーブルー)
D歯をシルバーで筆塗り
Eエナメル塗料の濃い系グレーで墨入れ
F最後に背中にチェーンを取り付けて完成!
塗装に掛かった時間は試行錯誤したので3時間ぐらい。
今なら1時間ぐらいで出来るんじゃないでしょうか。
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